2013年03月31日

小説感想:ログ・ホライズン6 夜明けの迷い子

Web小説から書籍化した、橙乃ままれが描く異世界冒険大河小説。
MMORPG<エルダー・テイル>の世界に取り込まれたプレイヤー達の、冒険と共に生き抜く日々を描く。
アキバの夜を脅かす殺人鬼の跳梁。
90レベルの冒険者を上回る戦闘力と、衛士システムを擦り抜ける謎の存在にアカツキが挑む。
だが、アカツキは自身の力の限界に行き詰まり……

現在第6巻、以下続刊。
「小説家になろう」にてWeb版も公開中
前巻までの感想はこちら
1〜2巻
3巻 ゲームの終わり【上】
4巻 ゲームの終わり【下】
5巻 アキバの街の日曜日

以下、ネタバレを含む感想

 『天秤祭』の事件を通じてシロエにとっての自身の存在価値に悩むアカツキ。
直接戦闘能力の低いシロエの“武力”でありながら、“二流の最上位”でしかない現実。
少しでも上の力を求めるアカツキは、シロエに頼まれたレイネシアの護衛を務めつつも、より強力な武器や噂が囁かれ始めた“口伝”のヒントを求める。
 ここで語られるアカツキ視点のパートで、エルダーテイルにおける大規模戦闘(レイド)というモノが二流と一流を隔てる大きな壁であることが良くわかる。
もしゲームの頃だったなら、臨時レイドを組んで無謀な――主に連携の錬度からいって――挑戦も出来たかもしれないが、現在はそれも無理だろう。
以前にも何処かで語られていたが、大規模戦闘(レイド)は参加自体が既に難問。
それ故にアカツキは行き詰まる。

 一方でアキバの夜を殺人鬼が跳梁する。
90レベルの冒険者を打ち破り、衛士システムを擦り抜ける謎の存在は<西風の旅団>メンバーをも刃に掛ける。
身内に手を出されたソウジロウは、殺人鬼への報復に動き出す。
だが、刃を交えた殺人鬼はソウジロウや<西風の旅団>の想定を越えていた。
それも当然、殺人鬼は街の治安を維持する為に<冒険者>を超える力を与えられる<動力甲冑>を使用していたのだから。
<大地人>側の外交官というべきレイネシアは事実を知り愕然とする。
偶然にもそれを盗み聞きすることとなったアカツキはやり場のない感情に任せてソウジロウと殺人鬼の戦いに乱入。
だが、ソウジロウとアカツキの二人がかりでも敗北は避けられず、二人は“死”を経験することとなる。
生と死の狭間というべき静かな渚で、アカツキはシロエと再会する。
全く別の場所にいた二人が、同時に“そこ”を訪れるというのは運命的と言える。
なお、シリーズ主人公のシロエ君、今回の出番は此処だけである。
加えて言えば、普通なら“詳細不明ながら主人公の死亡だけが示唆される”という驚きの展開ではあるのだが、シロエの場合は直接戦闘能力の低さからそれ程の驚きは無い。
極論を言えば、敵の武器攻撃職と一対一になったら間違いなく死ぬしなぁ……
閑話休題。
アカツキは初めての蘇生を遂げ、同時に人として成長を遂げ、友人の力を借りて(・・・・・・・・)事件の解決に臨む。

 そして終盤。
情報が出揃い、鍛練を含む準備を終え、アカツキ達は殺人鬼の討伐という大規模戦闘(レイド)に挑む。
周囲の人数に応じて能力を増す殺人鬼に対して、アカツキ達は“最小限の人員が順次接敵して、攻撃と囮役への回復を行う”という戦術で対抗する。
無論、囮役を務めるのは今巻の主人公(ヒロイン)・アカツキだ。
“口伝”を会得し、新たな愛刀を得た少女が、夜を駆ける。
彼女の“口伝”は本来は戦闘中に起動できない<隠行術>(ハイド・シャドウ)を使った分身を生み出し、眩惑する移動方法。
攻撃力こそ上がらないが想像すると恐ろしい技だ。
元々十二職中で最強クラスの攻撃力なのだ。
それが分身して襲い掛かって来て、場合によっては死角からアサシネイトだ。
真正面からの暗殺(・・・・・・・・)とか怖すぎる。
アカツキに与えられた全てが噛み合い、レイネシアの決断によって衛士のシステムが停止し、殺人鬼は打ち取られる。
全てを振り絞った少女たちの完全勝利と言えるだろう。
一回り大きく成長したアカツキがシロエと再会する時が楽しみだ。

 さて7巻では、今巻でアキバを留守にしていたシロエ達の物語が語られる模様。
シロエを死に追いやったのは西か、北か?
ヘンリエッタに預けられたカードの意味は?
予告ページのデミクァスとマサチューセッツを即座に思い出せる読者は何割か?
なお、私はマサチューセッツを思い出せませんでした。
誰だか調べるのに結構苦労しましたよ?
このメンバーがどんな化学反応を起こすのか、秋発売の7巻を期待して待ちたい。
posted by 蒼炎刃風 at 04:19| Comment(4) | 小説感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もうちょっとわかりやすく書いてくれると
Posted by at 2013年11月10日 05:16
わかり難かったですか。
自覚は薄いのですが既読の人間向けの文章になっているのか、それとも単純に文章力が足りないのか。
既読でもわからない、という事なら文章力不足に確定ですが。
どちらにせよ、次は注意したいと思います。
Posted by 蒼炎陣風 at 2013年11月13日 00:28
簡潔で要所要所まとまっていてとてもわかりやすかったです。個人の感想だから気にしなくておk。
Posted by at 2014年01月06日 19:46
フォローありがとうございます。
あとコメ返し遅れてすいません。
Posted by 蒼炎陣風 at 2014年01月11日 16:05
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